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2004年10月24日

『モーターサイクル・ダイアリーズ』

川崎チネチッタにて。

→モーターサイクル・ダイアリーズ オフィシャルサイト:HERALD ONLINE

23歳の医学生エルネスト(後の革命家チェ・ゲバラ)と、陽気な先輩アルベルトとの南米縦断2人旅。アルゼンチンの無名の青年が後に闘いの生涯をおくる原点となった、さまざまな体験が描かれています。半月前にチリを訪れ、ほんの上っ面ではあるけれども南米の不平等を見聞きしてきたばかりの僕にはじつに沁みました。映像も音楽も美しく本当に良かったです。

いまも存命というアルベルト・グラナード氏のインタビューの一節が印象的。

−もしゲバラが暗殺されずに生きながらえていたとしたら、世界はどのように変わっていたと思いますか?
アルベルト:エルネストは革命の力を信じていた。彼は物質的な豊かさとモラルが共存する新しい世界の創造を夢見ていた。ジーンズを買うより本を買うことを好む国民が暮らす国、それが彼の理想だったんだ。


チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記
チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記

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2004年08月15日

『スチームボーイ』

200_48C2.jpg そろそろ公開終了。

「空想科学冒険活劇」と言われて、僕はあまりにステレオタイプな物語を想像していたようです。ヒーローがいてヒロインがいて家族は固い絆で結ばれていて、悪が現れ困難にさらされるも、成長したヒーローが悪に打ち勝ちハッピーエンド…。話の筋も伏線も最後には腑に落ち理解できて、すっきりして家路に着きました、みたいな。

この映画はそういったものではなくて、とは言えどんな映画だったかと問われたとしても言葉が見つからなくて、それもそのはず監督は下のように発言していて。そうか芸術だったのかと。商売でも物語でもなく。

「芸術というものは多分に抽象的なものになりますのでね、それを簡単な言葉に変換するというのは非常に難しいわけです。テーマで言うととかね、一言で言うとこの映画は何ですかって言われて言えるんだったら作ってないわってね…」

冒頭のシーン、最近起きた蒸気の事故を想起させられました。戦争や宗教、事件や事故。現実をはるかに超える「物語」を、僕は勝手にアニメーションという表現手段に(過剰に)期待していたようで、しかしそれも、いい加減古くさい考えかたなのかもしれません。

おまけ話。上映前、『ハウルの動く城』の予告で、劇中場面が音声つきで流れるのを初めて見ました。が、ハウルのセリフだけ声が聞けません。まだ録ってないのか、乞うご期待なのか。キムタク様という強烈すぎる個性に声を依頼することはたぶん大きな賭けで、観客がスクリーンの向こう側に彼の顔を思い浮かべてしまったら、その時点で「作品の負け」な気がします。楽しみです。

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2004年05月09日

『スクール・オブ・ロック』

ワーナー・マイカルみなとみらいにて。 とってもわかりやすい起承転結の大団円ドラマで、理屈抜きに笑える楽しい映画でした。オススメ。22:00〜の1回しかやってないのがもったいないくらいです。
ジャック・ブラック最高。小ネタでとくに笑ったのは、生徒が考えたバンド名と、宿題と、トリのAC/DCネタかな。

→スクール・オブ・ロック
んでこれ日本版オフィシャルなんですけども、
「日本の教育をつぶせ!全米No.1教師にまかせろ!!」
って、どうなのよこの格好悪いフレーズは。Rockじゃないなぁ(笑)

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2004年03月15日

『クイール』

ワーナー・マイカルみなとみらいにて。

『クイール』リンク用バナー

かわいいんでバナー貼ってみたり。

いやぁ非の打ち所がないホンワカ娯楽映画であり、じつに見事な動物映画です。犬からあれほど豊かな表情を引き出し、こまかな演技をさせた撮影は、きっと時間も工夫も並大抵ではなかったことでしょう。椎名桔平演じる訓練士のキャラクターの小気味よさも印象的です。

物語そのものは大きな驚きや波瀾万丈のストーリー展開を伴うものではなく、むしろ淡々と時系列に沿ってすすんでいきます。宣伝コピー(1人と1匹を待っていたのは、思いもかけない運命でした)や「この春一番の感動作」は僕にはほとんどピンとこないんですけども、まぁそれは僕が「物語」にスレちゃっているからなのでしょう。あるいは、ほんっとに心底からの犬好きであれば、この春どころかフォーエバー・ベストに入ってしまうのかもしれませんが。

というわけで、犬にかぎらず動物好きならば迷わず見て大吉な作品だと思います。上映後に館内に流れる音楽が『南極物語』でちょっとおかしかったな。
えっとそれから僕、体調崩してしばらく寝込んでおり、復活したばかりでした。『ロード…』(否トラブリュー)じゃなく、こっちにしといて良かったですホント。元気が出たような気がします。

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2004年01月12日

『ジョゼと虎と魚たち』

渋谷シネクイントにて。 →ジョゼと虎と魚たち(公式サイト)

座席指定ではない映画館は久しぶりです。20:30の回に確実に座って観ようと思い、18:00の回の混雑ぐあいを様子見すると、20分前には「立ち見になりま〜す」とのことで、余裕を持って1時間前に並びました。座席指定してくれれば僕たちは時間を有効に使えるし、映画館もよけいな混雑を避けて人件費減らせそうだし、単館さんもがんばってシステム導入してほしいなぁ。「行列」が生み出す宣伝効果を無くさないために、あえてやってないのかもしれませんけども。渋谷なんかだと特に。

こういうジャンルでは珍しく、若い男の子の2人連れとか4人連れとかを見かけましたが
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そういうことか(笑) いやいやキミたち、違ったらごめんよ。

以下、ちょっと感想。いちおう伏せます。
誰かと自分との将来を見つめることから、どんな形であれ「逃げた」経験があるひとなら誰もがきっと、目ではスクリーンのジョゼと恒夫を追いかけながら、頭の中では過去の自分にじわじわと想いを馳せてしまう。そんな力がある作品だと思います。別れの場面では淡々と笑ってその場をやり過ごすことができても、新しい相手と何気ない会話を交わしながら、通り過ぎる車の音に、ふと道端に泣き崩れてしまう心。この流れには切なくなりました。
原作では、共に暮らし始めたふたりの行方は読者の想像に委ねられているとのこと。そちらの物語の閉じかたもぜひ読んでみたいものです。
ちりばめられた笑いの仕掛けは、けっこう単純に楽しめました。本屋の店員役の荒川良々さんは天才に違いない。「ゼッパン」だけでどうしてあんなに笑えちゃうんだろう。
チチについてはノーコメントで。

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